AWSでDNSを登録するには、Route53というサービスを利用します。
サービス利用時にルーティングポリシーを設定する必要があるのですが、それぞれのポリシーの違いがいまいちよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Route53のDNSルーティングポリシーがそれぞれどのような特徴があるのかを紹介します。
- DNSルーティングポリシーの各種類の特徴
DNSルーティングポリシーとは
DNSルーティングポリシーは、Route53でDNSクエリに応答する方法を決定するルールセットです。DNSルーティングポリシーは全部で8つの種類があり、要件に応じた方法を選択することができます。
DNSルーティングポリシーの種類
ここでは、8つのDNSルーティングポリシーについてそれぞれの特徴を紹介します。
シンプルルーティングポリシー
ドメイン名とIPアドレスを静的にマッピングし、ルーティングを制御するポリシーです。一つのドメインに複数のIPアドレスを登録することができます。戻り値は一つのみで、複数のIPアドレスが登録されている場合、ランダムにIPアドレスを返却するラウンドロビン方式でルーティングされます。
フェイルオーバールーティングポリシー
プライマリリソースとセカンダリリソースを設定することで、プライマリリソースが応答しない場合に自動的にセカンダリリソースにトラフィックがルーティングされるポリシーです。これにより、高可用性を確保することができます。プライマリリソースが正常稼働しているかは、ヘルスチェックの結果で判定します。
位置情報ルーティングポリシー
クライアントの位置情報に基づいてルーティングを制御するポリシーです。クライアントのIPアドレスに応じて、ルーティングを制御することができます。例えば「日本からのアクセスは日本のリソースにルーティングする」といったイメージです。ユーザの位置情報に基づいて固定的なルーティングを行うポリシーです
地理的近接性ルーティングポリシー
ユーザーのIPアドレスから最も近いリソースにトラフィックをルーティングします。これにより応答の遅延を抑えることができます。位置情報ルーティングポリシーとの違いは、「クライアントのIPアドレスから最も近いリソースにルーティング」されるという点です。距離に基づき最も近いリソースにトラフィックが動的にルーティングされます。
レイテンシーに基づくルーティングポリシー
ネットワークレイテンシーが最も低いリソースにルーティングされるポリシーです。一定期間中に実行されたレイテンシーの測定値にもとにルーティングされ、時間経過によってルーティング先のリソースが変化します。
IPベースのルーティングポリシー
アクセス元のIPアドレスのCIDRを元にリソースを決定するルーティングポリシーです。特定のインターネットサービスプロバイダ(ISP)のユーザを特定のリソースにルーティングすることが可能です。
複数値回答ルーティングポリシー
複数のランダムに選択された正常なレコードをレスポンスすることができるルールです。シンプルルーティングポリシーなどの他のポリシーでは、一つの結果しか返却できないのに対し、複数値回答ルーティングは複数のリソースをレスポンスとして返却できます。
加重ルーティングポリシー
指定した比率で複数のリソースにトラフィックをルーティングするポリシーです。アプリケーションのA/Bテストなどで利用できるポリシーです。
Route53 ルーティングポリシー早見表
上で紹介した内容を表にまとめました。それぞれの特徴がわかりやすくなっています。
| ルーティングの種類 | 特徴 |
|---|---|
| シンプルルーティングポリシー | ラウンドロビン方式でリソースを返却する方式。 |
| フェイルオーバールーティングポリシー | ヘルスチェックを用いたプライマリ、セカンダリを切り替える。可用性の高いルーティング方式。 |
| 位置情報ルーティングポリシー | ユーザーの位置情報に基づいて返却するリソースを制御できる方式。 |
| 地理的近接性ルーティングポリシー | ユーザーの地理的な位置から最も近いリソースを返却する方式。 |
| レイテンシーに基づくルーティングポリシー | 一定期間中に実行されたレイテンシーの測定値から返却するリソースを決定する方式。 |
| IPベースのルーティングポリシー | CIDRに基づいて返却するリソースを制御できる方式。 |
| 複数値回答ルーティングポリシー | 複数のレスポンスを返却できる方式。 |
| 加重ルーティングポリシー | リソースに対するトラフィックの比率を設定しルーティングを制御できる方式。 |
Route53 DNSルーティングポリシー:まとめ
- DNSルーティングポリシーの種類は8つ
- DNSルーティングポリシーは要件にあったポリシーを選択できる
ドメインに関するサービスは、アプリケーションエンジニアだとなかなか触れる機会がありません。
しかし、運用中のトラブルシューティングや既存設定を確認する場合には必要な知識となります。中でも今回紹介したDNSルーティングポリシーは、DNSのトラフィックのルーティングを決定する重要な内容ですので、この機会にしっかり理解しておきましょう。
本記事が皆様の参考になれば幸いです。
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